金価格は、需要や供給量の変化及び世界中の政治、経済、社会情勢に影響されて変動します。
金は世界に共通する価値を持つ国際商品の一つで、世界中の市場で取引きが行なわれ、その市場での取引価格により相場が変わる商品です。
香港、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークの各市場が世界の四大市場と呼ばれ、価格の指標的立場としての地位を確立しています。その他でも世界各国に市場があり、もちろん日本国内でも取引きされています。
世界の主要取引所がある都市間には時差があるため、金は各国の相場が互いに影響しながら、24時間休むことなく世界のどこかで取引きされているのです。
例えば、日本国内の取引きが終了する頃に、チューリッヒが朝を迎えて市場がオープンします。続いて、ロンドン、日本時間の深夜にはニューヨークでの取引きがスタートします。これが「金は一日中眠らない」という表現が使われている所以です。
そして、金は、貨幣や債券、株式などの紙の資産等とは違い、価格が変動することはあっても、その価値は決してゼロにはならない「実物資産」です。
貨幣や債券、株式などの紙の資産はそのもの自体に価値はなく、発行体の信用や業績により価値が決まります。収益性が期待できる一方で、発行体の信用が著しく低下した場合、ただの紙きれになってしまうリスクをあわせ持っています。
一方、「モノ」でありながら「世界に通用するおカネ」として普遍的な価値を持つ金は、主要国政府の中央銀行(日本では日本銀行)も支払い準備金として大量に保有しています。
かつて金は「金本位制」のもとで、金の保有量にあわせて通貨を発行していたという歴史もあり、その制度がなくなった現在でも保有する金の量がその国の通貨価値を安定させる要因として機能し続けています。
また、日本国内で発表される金の価格は、米ドル建てで提示された価格を円建てに換算して算出するため、為替相場が金価格に及ぼす影響も大きいのです。円高ドル安になれば日本国内の金価格はそのぶん安くなり、円安ドル高になれば、値上がりすることになります。
これらの様々な要因により、金相場は変動していくのです。
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